いよいよ核心です、より効率の良い釣りを目指して!
一般に多用されるクロスストリームやアップストリームのようにU字を切ったりして扇状に幅広く面や線で探る釣り方は、何処に居るか分からない魚やうぶな小物を含めたスレていない魚にはサーチする事にもなり、初めてのポイントやポイント把握の出来ない初心者にも大変理にかなった攻め方であり、数多くの魚と出会えるし、無理の無い自然な釣り方だと思います。ただし、大も小も魚のサイズには関係なくそのポイントで一番最初に遭遇した魚からヒットするので場荒れする、あまり追い気の無い定位している大型魚などでは見ている時間が短く追いのスイッチが入らない内に通過となる事もあるかも知れないのです。
などの点でみんながやる一般的な事は当然平均的釣果を目指すなら正解ですが、数々の修羅場をくぐった大型のフィッシュイーターはもちろん、食い気は無くてもテリトリーのある大型魚に対して、アングラーがポイント全体の中で目的の大型魚の定位しているスポットを確信的に推測出来さえすれば私が多用する逆引きと言う釣り方はテリトリー内にルアーを留めて長い時間ルアーを見せると言う効果で大型魚の興味を引く、テリトリーに侵入したルアーに対してスクランブルを掛けるスイッチを入れられるという要素だけは突出しているのです。
そのポイントで1番の大型しかいらない人には余計な小物を出して場を荒らす事はやってはならない失敗なのです。
だから、最初から逆引きで大型岩魚の定位スポットと思われるところからイキナリ釣り始めて、駄目なら細かく探れば良いのです。
はじめ手前の浅い所や小場所から始めて段々と核心部分へ近付けて何て言うマシンガンキャストや全面釣りなどの釣り方は数釣りの渓流での常識ですから捨てなければ大岩魚釣りのエキスパートにはなれません。
釣りを長くやってると誰でも経験があると思いますが、数釣って行く内にいつか当たるだろうと思って小場所や浅場を先に釣っていては場を荒らして大物を追い散らしている事になりデカイ魚影が見えた、泳いで行ったと驚く事ばかりで、生涯の大物のヒットに出会わずに終わってしまう可能性もあるでしょう。
まあ、でもそのほうが超大物バラシも無いし心臓には良いかも知れませんが・・・。
大岩魚限定、ディープダイバーでの釣り方
まだ水温が安定せず10℃以下の日が多い時、盛期でも雪代や霜、異常低温注意報などで前日より水温が著しく低下した時は活性が落ちどうしても水面まで出てこない時がある。また、初夏になり真夏日にもなる6月は水温が急激に上がるとこれまた活性が落ち、マズメ時しか表層まで出て来なくなる。こんな場合もディープダイバーの出番となる。
前述した通り大型のサクラマスや大岩魚は好ポイントの中でも1等地にテリトリーを持って居る事が多いので、それさえ読めればディープダイバーで確信的に狙うのである。いずれの場合も水深1.5m以上の瀬の中にあるストラクチャーとなるテトラ際や、大渕に流れ込む瀬尻が岩盤や大岩に沿って流れているようなポイントで2mぐらい水深があれば警戒心も薄くなり、超大型ヒットの可能性も高い。
出来るだけ離れて上流にキャスト位置をとり、充分なキャリーで定位スポットを飛び越しサミングを駆使してなるべく静かに着水させる。流れを考慮に入れ、1番ストラクチャーに近付く流れスジにロッドワークで誘導しながらゆっくりリトリーブだけしてきたら、一気にロッドティップを水面に近くして潜らせる、この時もしディープダイバーのロングリップが着底してコンと当たってしまったら少しラインを緩め、下流に戻せば根掛かりは少ないから思い切って潜らせる。それで水深を考慮しながら底近くになるようロッドティップの位置を決めて最初優しく段々強くシェイキング&ジャークを繰り返しながら少な目のリトリーブでピンポイントに長く留まらせ、バイトを狙って誘っていると瀬の中ではいきなりゴンッと当たり一気に下流に向かったり、ヒットの直後水面まで出て来て大暴れする事が多く、バラシが多くなるのでロッドを寝かせジャンプや水面直下でのローリングを食い止め、ロッドを立てた縦のポンピングではなく、ロッドを寝かせたままの横のポンピングで注意深く、しかし強引に釣手側に顔を向かせて下流に走らせないように寄せて来て弱るのをあまり待たずにチャンスがあったら素早くネットですくってしまうのが間違い無い、瀬の中でのファイトはラインやフックや魚のフッキング部位にかなりの無理がかかって居る為、時間をかけ過ぎると鈎が伸びたり折れたり、ラインブレイクしたり、肉切れしたりしてこれまでの経験上、ろくな事は無いのである。
瀞場や淵への流れ込みの瀬尻でヒットした時はスレ掛かりの時のようにグーンと重くなり、首フリをしているような様子が伝わってから重々しく大鯉のようにゆったり底を離れないで泳ぎ回るものほど大型である。60cmを軽く超える大型は慌てず落ち着いてポンピングしながら頭を自分の居る上流に向かせて巻いてくればそれほど暴れる事も無く目の前までは来るが、流芯から中々離れず、何度か流芯から引き離す時、一進一退の寄せては離れる攻防を繰り返していると、徐々にスタミナが切れて水面下で流れに身をゆだねるように動きが止まる、その時、必ずドラグを4分の1回転以上緩めて走りに備え少し流れのあるところで岸と平行に静かに泳がせたままネットインさせれば予測のつかない方向に逃げたり暴れたりせずにランディングは比較的スムーズに出来る。
盛期の大岩魚を狙って釣る為のミノープラッギング
水温12℃〜16℃ぐらいになると、荒瀬であれば、水深1m以下のかなりの浅い所にも定位するようになる。そうなればスプーンはもちろん、ディープダイバー、ミディアムディープすら底を拾い、根掛かりやトラブルが多くてロッドを立てて無理すれば使えるが楽しく効率的に使うには向かなくなる。
フローティングやシンキングやサスペンドと適材適所はあるがミノープラグの独壇場となり、複雑に流れる流脈の中でのポイントの読み、すなわち適水勢のスジと定位スポットの推測がカギとなる。やる気は充分なのでスレてさえ居なければピンポイントをはずしても浅くて良くルアーが見えるから着水の瞬間のバイトや追い食いする時も多いので、キャストからリトリーブ終了まで気が抜けない。
朝一はライズを探して狙っても良いし、実績ポイントを攻めるのも釣果に繋がるがるが、日中はポイントエリアを見回し、そのエリア中で一番強く長い荒瀬が終わる瀬尻、もしくは荒瀬の中のストラクチャー際を確信的に狙ってラン&ガンしたほうが、ダラダラと際限なくマシンガンキャストしながら下流に釣り降るよりも遥かに確率は高いし、惰性でキャストしている時に大型の突然のバイトに不意をつかれて慌ててバラシて悔やむ事が無いよう気持ちも集中維持できる。
ウェーディングして上流に立ち、瀬尻の三角の頂点を越して下流にキャストし定位スポットで止めて流れを利用してシェイクし続ける。フローティングで駄目ならサスペンド、シンキングと変えて行っても良い、フローティングで出なくてサスペンドで出たり、シンキングで出たりもする。おそらく上下の動きの差だと思うが、活性が低いほど、スレて居るほどバイトは遅く浅く、シンキングが有利になるが、活性が高い時はフローティングがテリトリーに入った瞬間に水面を割ってドライフライに飛び付くようにバイトしてエキサイティングなゲームとなる。
直上にダウンストリームキャストをする為の位置を確保できない事も荒瀬では良くある事で、そう言う時はダウンクロスでキャストし、扇状にあっという間に通過してしまうテリトリーと推測したスポットを何度も何度もフローティングで駄目ならサスペンド、シンキングと変えて鮎の友釣りの時のように追いのスイッチが入るまで
裏シェイキング&ジャークで誘って挑発する。
私のプラグアイチューニングは更に河川でサクラマスや大岩魚を釣る場合、ステディーなスローリトリーブでは規則的なウィグリングやウォブリングでモンローウォークしてユラユラアクションで誘いますが、ボサ下や張り出した枝下を逆引きで探る時は引っ掛からないようにジャークすると若干沖側へダートするよう微調整します。
そうすると岸際に段々よってきた時にジャークするか、リトリーブスピードを上げるとまた沖側に岸から離れ、テリトリーから逃げるような演出と岸際の浅場に根掛りするのを回避できるので一石二鳥です。
クロスストリームでU字ターンを演出する時も、より鋭角なU字を演出できます。
もちろん、右岸側に立つか左岸側に立つかでアイチューニングは逆になるので右岸用ミノーと左岸用ミノー共用はできません。
赤丸がポイントの中でもピンポイントの底がかけ上がりになる瀬尻の三角。
更にファイト&ランディングでの注意として前にも瀬の中でのヒットで述べているが、特に盛期はウェーディングが多くなるので、荒瀬の中にウェーディングしながらヒットして、ゴリゴリ巻き込み、あっという間に目の前まで来たので素早くランディングネットですくったら、すぐ鈎が外れてしかもまだまだ元気な為ネット内で大暴れなんて事は良くある事。だからチョットでもチャンスがあればなるべく早くランディングしたほうがバラシの失敗が少なくて良いと言う事を付け加えて置きます。
さらに重要な事は散々朝からキャストして底を拾い鈎先が舐めているので新しいポイント に移動した最初のキャストの時は冷静さを取り戻すためにもミノープラグのフックは全てタッチアップした方がたとえバラシテもアワセミスしたんだろうかなどと言う悔いが残ら無いだろう。
いかなる場合でも魚が目の前まで来たらドラグを4分の1回転以上緩めると言う鉄則を頭に叩き込む事で、幾ら最後に悪あがきしても、それまで何とか魚を寄せて来られたライン強度や結束なら切れません!
大型魚の寄せ方
大型サクラマスやシーバスなど水面で暴れる魚は
フックアウトに繋がる高くジャンプするのを最小限に抑え
障害物に逃げ込むのを防ぐために
右に行き過ぎたら左にロッドを倒し、
左に行き過ぎたら右にロッドを倒して引きを矯めながら
左右どちらかの素早いポンピングでジグザグに寄せてくると
弱るのも早く早いランディングに繋がる
大岩魚やショア真鯛や黒鯛青物の場合は
沖へ底へと突っ走るので縦のポンピングで
強力にリフトアップしながらグイグイ寄せて来ないと
岩に擦れたり藻に突っ込まれてフックアウトする時があるから
ロッドは上下の動きのみでパワーで寄せる。
渇水期のスレた大型サクラマスや大岩魚対策
笹濁り時や増水時はミノーに入っているカチカチと言う重心移動音やジャラジャラという一部のミノーに内蔵してあるラトル音はかなり有効だが、一転渇水で澄水でナーバスになったサクラマスや大岩魚には音は禁物である。そういう時は無音のミノーに変えるとイキナリ食ってくる時がある。それを
渇水期に大岩魚と2匹のサクラマスを特注の無音オスプレイで釣った事で実証した。最後の大型ナマズは余計だったが・・・。
流し込み(送り込み)釣り
これはどうやっても釣れないスレた大型サクラマスや超大岩魚を釣るために試行錯誤の末編み出したトップシークレットな釣り方だったが、真摯な釣り師の方にはレクチャーしてあげたので結果を出している人が多い。
超大型雄サクラマスや超大岩魚のテリトリーである本命の荒瀬尻が空き家だったり、攻められ続けてナーバスになっている時は瀬尻と言えども簡単には出ない。渇水期であれば更に臆病になっている。
瀬脇やリフルで50cm前後の大小雄雌混在している2級ポイントを狙うしか無い場合もあるが、出来るだけ60cmを超える大型サクラマスや大岩魚を狙いたい時は本命ポイントに直接キャストして、間髪入れずリトリーブするよりも核心部より下流まで流し込んで流れに馴染んだ頃合いで、ゆっくりステディーに逆引きすると当たる事が良くある。1〜2回で反応がない時はシェイクを加えた瞬間に当たる事もある。
なにせ定位ポイントから離れた着水音すら聞こえない人の気配が全く感じられない距離(50m以上)からの操作なので百戦錬磨の大型サクラマスや超大岩魚もつい口を使うのだろう。
規模にもよりますが人の多いスレた渓流の瀬尻やトロ瀬でも大岩魚や大山女魚に使えます。
この流し込みには、高浮力のミノープラグが不可欠であり、フローティングで無音の物(手持ちのミノーに無音が無ければラトルや重心移動ボールは接着剤で固定しても良い。)に限る。
キャスト飛距離なんてこれからのサクラマス釣りや大岩魚釣りには無意味になるでしょう。
サクラマスが定位しているフィーディングレーンと流れのスジさえ読めるようになれば、根掛かりのみ気を付けて、その気になればどこまでも流せるのですから。
サクラマスがいない時は60cm前後の超大岩魚が良くヒットします。
※注※ローリング主体の大きなアクションなので、ウィグリングを好む小型はあまり釣れません
ので60cm〜70cm以上の大物しかいらない熟練アングラー用です。
小桜や尺山女魚、尺岩魚は別のルアーをお勧めします。
数少ない超貴重な大型のオスのサクラマスやオスの超大岩魚
を選んだようにヒットさせる。
こんな夢を私個人的には、ほぼ充分に達成した。
言い換えて差し支えなければ、
黒鯛ルアーフッシングと同じで
大型サクラマスや超大岩魚を狙う瀬尻三角理論を自分なりに確立したと思う。
そう信じる事も釣る為の重要なファクターであり、自信が釣らせてくれる。この釣りの難しさは他の釣りと違い、絶対数が少ないため居ると思って狙いを付けたポイントに超大物が居ない事が多い事(空家)、これは覚悟しなければなりません。仕掛けについては人それぞれのこだわりですから自分に迷いが無くなればそれで良いのです。10人10色、釣れたらそれが正解です。
重複しますが、超大物を釣るために重要な事で尺物程度狙いの渓流の数釣りと大きく違う点は、マシンガンキャストで数撃ちゃ当たる方式により手前の浅瀬から順次探ってなんて尺狙いの渓流釣り感覚のまま全面取りで釣り始めて
チビや外道を出して危険な気配を醸しては超大型は警戒して、まず来ない。
いつまでも超大型が釣れない人のやってはならない失敗である。
具体的な相談としては、初心者とは言えない渓流釣りでは数釣れるベテラン釣り師なのに大型が釣れない人がいます。
瀬脇や淵などの水に動きの無いところばかり攻めて
やる気の無い個体に期待するより、食い気とテリトリー意識
が強いやる気満々の大岩魚を狙った方が
ずっと可能性が高く、餌は流芯が一番多く流れるので
大型の個体は何処にいても流芯の餌の流れを見ているので
流芯さえ攻めて行けばフィーディングレーンを釣っていることになるので
溶存酸素量の観点から言っても間違いないのです。
下手に小場所や瀬脇を攻めて尺岩魚や尺山女魚のような小物や
ニゴイやナマズなどの外道を出して暴れられると
警戒心の強い本命の大岩魚は猛アタックしてきません。
渓流の数釣り名人が陥りやすい、大物が釣れない失敗です!
最初からオスの超大岩魚がいるであろうポイントから釣らなければ
超大型とは巡り会えない。
2015年6月23日、この時も渇水期でナーバスになっている時期だったので、
マシンガンキャストで数撃ちゃ当たる方式により手前の浅瀬から順次探ってなんて尺狙いの渓流釣り感覚で釣り始めてチビや外道を出しては超大型は警戒して、まず来ない。大型が釣れない人のやってはならない失敗である。
オスの大型サクラマスや大岩魚のオスが定位君臨する典型的瀬尻三角の荒瀬に中までウェーディングして直上に立ち第一投!!
瀬尻三角を飛び越して右岸の緩流帯に落とし、ベールを返し、瀬尻の流芯に入った途端ヒット!!!
これはかなり大きい、ロッドが曲がったまま限界まで流芯に向かってドンドン伸されていく。
思い切り煽ってセットフックは完璧!
しかし浮いてこないなー サクラなら3kgぐらいあるかなー
水面で暴れないように横のポンピングで荒瀬を少しずつしかし確実に上流に寄せて持ってくる。
緩流帯に引き込んで来て確認すると鼻曲りの超大型雄の大岩魚だった。
尺岩魚と2尺岩魚を比較すると・・・大人と子供です。
瀬尻三角理論で62cm2.8kgの大型雄岩魚が釣れました。長さ半分サイズ31cm400gの尺岩魚と比較すると重量とボリュームは7倍以上違う。
『魚類剥製渡部』さんに剥製制作依頼
数釣って行くうちに大岩魚や超大岩魚も釣れるだろう。なんて考えている人は多分人並みの岩魚しか釣れないで釣り人生が終わるでしょう・・・。
キャッチ&リリースについて は漁協でC&R区間を設けているなら厳格に守らなければなりませんが、何もきまりの無い河川区間なら釣り人それぞれの自由です。釣った魚を食べたい人もいるでしょうし、家族や友人に見せたい人もいる。飽きるほど数釣らないと中々大物はリリース出来ない人も多いです。
漁協や県条例などの規則を守って持ち帰るのは誰にもとがめる権利はありません。
今ではベテランになっている釣り師でも以前は渓流魚を持ち帰って食べたり、
記録的大物を剥製にしたりしているものです。自分は散々釣って持ち帰りを卒業したからと言って他人に強要してはいけません。人それぞれが納得して自然にやれるようになれば良いと考えます。私も記録的大物や
食べたい時は節度を持って鮮度を保ちながら持ち帰ります。
場所取りや禁漁区で平気で釣ってしまうなどしてトラブルの無いよう
最低限のマナーを守って、仲良く楽しい釣りを楽しみましょう。
後記・・・岩魚の不思議
今年も若干の岩魚や山女魚を釣りましたが、
私が釣るのは大抵の釣り人があり得ないと思う程、都市部で下流域
しかも夏に渇水して乾いてしまうほどの流域でも春には岩魚が普通に居るのである。
遡上してくる大型鮭科魚類を『All or Nothing』で狙うようになってからは、
渓流は初心の若者やマニアにお任せしてほとんど釣る事が無くなった。
しかし、家の近くの中流域でルアーやフライで散歩的な釣りを春先にすると
結構な型の岩魚や山女魚が釣れる時がある。
その生息の確信的根拠になっているのがこれ↓
私がまだ10代の頃、国道13号線バイパス工事の時に各河川に橋脚を作る工事が行われた。
水が一滴も流れていない中流域の乾いた川床をユンボ(パワーショベル)で掘ると
やがて水が溜まってくる、伏流水の地下水脈が湧き出してくるのは理解できよう。
しばらくすると何か動く物が???魚だった。
乾いた河原を掘って生きた魚が出て来るのだ。
それは20センチ〜30センチの岩魚だった。
やはり乾いた川床を掘ったら別の河川では大きな岩魚がバケツ一杯も獲れた話も聞いた。
なぜ岩魚ばかりかと言うと、今の若い釣り人は知らないだろうが、
山形市周辺の全ての河川
(須川・松尾川・竜山川・本沢川・藤沢川・馬見ヶ崎川・高瀬川・立谷川)には山女魚はまったく生息していなかったからである。
全て、山形市予算や釣り具商組合、渓流研究会や我々など善意の自主放流の結果だから
山女魚が減ったなどと嘆くのは違和感がある、元々居なかった魚だからだ。
今では水さえ流れてくれば魚が全くいない河川区間でも何処かから岩魚や山女魚が
地下水脈から出てくる。
まさに湧いてくるという表現がぴったりなのである。
馬鹿みたいに釣りに没頭していた若い頃にはその思い出の事象を理解出来ず、
自分達の釣り場を無くしたくない一心で怒りに任せて自然保護を訴え、
38歳の時、山形新聞に「ため息が出る河川工事」と
投書したりしたが、その後何事もなかったように
大水が出る度に不思議と元通りに魚は釣れるものだった。
だから今では、多少の渇水や河川工事では渓流魚は立ち直れると信じている。
岩魚は不思議な魚です。
海にも川(下流から上流まで)にも沼にも生息していて渓流魚の枠を超える地域にも生息している。
海ではシーバスや黒鯛釣りしている時に、ファルコン128SS木村スペシャルで
太った岩魚が釣れたし、
最上川で8月のお盆近くの渇水期、中流の中山町で鮎釣りしていたらテトラ際を網で漁していた年配者が大きなカワザイ(ニゴイ)が掛かった見たいと言いながら
「あれっ!岩魚だ。』
と言うので見たら50cmを優に超える大岩魚だった。
春なら良くある事で珍しくもないが水温28度もある中でテトラから湧水でもあるのだろうと納得したが驚いた。
もともと岩魚は渓流の綺麗な水に住む魚と思っている人が多いが、そんな事は無い。
水温さえ低ければ極端に言えばドブ川や側溝にさえ生息できる魚である。
食性によって身の色も違い、海や下流で甲殻類を良く食べる個体は身が真っ赤でサーモンに勝るとも劣らない美味しさ。
渓流の最上流にいる居付きで移動しない腹がオレンジや黄色や赤い個体の身は透き通るように真っ白で淡泊だが脂に欠ける。
味は個人の好みで何とも甲乙つける事は無いが、生息域と味まで幅広いので一概に同じ岩魚で語る事は出来ない。
渓流部で人里より上流に住む岩魚は渇水やかつては毒流しなどにより全滅したと言われる沢でも数年すれば何故か復活しているもので、工事関係者に聞くと完全に乾燥している川の底を掘ると伏流水が湧いて来てそこから岩魚が出て来ると言う。
そう、岩魚は地下水脈にも生息しているので枯渇する事は滅多に無い稀有な魚である。
岩魚を水槽で飼っていると色々な事が見えてきます。
私は中学高校と岩魚釣りをしながらもっと釣れるように生態を観察し、岩魚を永く飼育し餌付け調教して見ました。
そんな中で新聞やテレビに取り上げられましたが、 学者先生たちのコメントにはあきれました。
ネイティブな岩魚を飼育していくうちで餌付けをする際すぐ食べる人懐こい天真爛漫で何にでも興味を見せる岩魚や死んでも人の手から餌など食べない岩魚もいるんです。
分かり易く言えば鷹匠が鷹に調教する時に近いです。
魚類学者や専門家は自分の範疇でどれだけの段階を踏んでいるのか検証もしないで机上の空論と彼らの常識で言い放つものです。
私は人の手から餌を食べる資質のある個体を選別して→辛抱強く最初は川虫餌から慣らして→ 水槽にオイカワなどの生きた小魚を入れて食べさせる→次に棒の先につけた餌にする→その棒を段々短くして→ ついには直接手から小魚を食べさせるところまで成功した。
更に水中に入れていた手を水面だけにして最終的に水面から20cm〜30cm上に餌を離して水中からジャンプしてイルカのように空中で食べる までに調教したのです。
(1980年代、当時はビデオなんて一般家庭にはほとんど無いので最終段階のイルカのような岩魚のジャンプ餌付け画像はありませんが・・・。)
それを『人に慣れたのではなく岩魚本来の習性』と普通の事みたいに
子供をバカにするようなコメントを出した学者もいた。
一言で片付けるんですから学者とはいかにアホで薄っぺらい者かとあきれたものでした。
そんなこと言ったら鷹もイルカも犬や猫や動物全ての調教は本来の習性で片付けられてしまいます(笑)
現場を知らず習った知識だけで空論を語り、 釣りや飼育の経験が無いのでは説明が付かない事があるのに と当時20歳を3年過ぎたばかりの私でもコメントを読んで鼻で笑って一瞥したぐらいだ。
「じゃーお前がやってみろ、無知な学者め!」と
そうして私は岩魚や山女魚の飼育観察から渓流魚の色んな秘密を知り、 釣るためのヒントを得たし、渓流魚の活性を上げる術を教わった。
だからこそ今では簡単に岩魚やサクラマス・黒鯛にまでアクセスできるんだと思う。
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