|
|
『クロダイの釣り方』 クロダイのルアー釣りは、今盛んに言われている磯釣りに付き物の巻き餌で海が汚染される問題は無いし、ルアーのサイズを10cm以上からあまり落とさなければ黒鯛と呼べない幼魚を釣るような乱獲につながるような事も無い。 実際7cmや9cmのミノープラグを引くと30cmぐらいのが釣れてしまう時もありますが、餌釣りと一線を画す為に大型ばかり選り抜けるルアーで釣る意味が無いので、たとえボーズになろうとも私はテリトリーを持つ大型クロダイばかりを狙って大型のルアーを使います。 クロダイは雑食なので何でも食べるようです。 しかし、真鯛やシーバスや青物のように小魚の群れを追ってナブラ状態に追い込んだり、わざわざ探し出して積極的に食い漁るまではフィッシュイーター化しないようですが、大型のクロダイがテリトリーを持つと縄張りに侵入する小魚を反射的に噛み付いて食ってしまうんだと思います。 テリトリー意識や過去の食性の名残りでサクラマスがルアーにヒットする理由と大差無いぐらいと私は想定して、クロダイのルアーフィッシングを確立したつもりですが、クロダイは河川に遡上したサクラマスよりは少し強いぐらいの魚食性がある、その程度の興味やリアクションバイト(反射食い)でなければあれだけクロダイは数居るのですからもっと頻繁にルアーにヒットしてくるはずだと思います。40?前後から居付きになり縄張り意識が強くなるのではと考えてます。 そんなテリトリーを持った大型黒鯛のみ狙ってストラクチャーを見つけながらラン&ガンして行くのが私の『黒鯛ルアーフィッシング』の基本です。 特例としてサーフでは渚釣りポイントであるカレントを読み離岸流を見つける目があれば渡りのシルバーストライプカラーのクロダイを居付きのようにヒットさせる事は可能で私もほとんど根の無いサーフの掛け上がりで美しいクロダイを数匹物にしては居ます。 ← 砂浜で釣れる黒鯛と磯で釣れる黒鯛とではこんなに個体差がある。サーフの離岸流に一時的に付いた渡りの黒鯛はシルバーメタリックのストライプで、精悍な若武者のようである。一方磯の根や大岩などにテリトリーを持った大型黒鯛は老獪な武芸者然とした重厚さがある。 少し荒れている時はステディーリトリーブでもクロダイはヒットしますが、ベタ凪の時ステディーリトリーブばかりしてるとフグとソゲ(チビヒラメ)しか掛りません、そんな時にサーフの掛け上がりやストラクチャー周りゴロタの溝をシェイキング&ジャークのようなロッドアクションをしながら引けば、ヒット!そこに運良くテリトリーを持ったクロダイが居ての話ですが・・・。 荒れ気味の日は、シーバスも掛かりますがあくまで外道としてクロダイの釣り方に徹して下さい。 「天候」 ドピーカンの真昼でベタ凪やさざ波程度の凪で澄み潮が最高の条件! クロダイの餌釣り師には最悪の条件、シーバスにも最悪の条件なので心置き無くクロダイに専念できます。 この水深だと表層は風上から風下に流れが出来るのでダウンストリームでサクラマスを釣る私としては凪になりやすいダシ山形では東風)や強くなければ南北の風は少しあるほうが海でも逆引きのシェイキングがやり易いのです。 ベタ凪の日の50cm→ 「ポイント選定」 水深1m以上3mくらいがベストだが、大岩などのストラクチャーや カケアガリが在れば5m以上でもヒットしている。底は大石小石、岩盤、砂底など何でもOK! 少し波が有る時に簡単に表層の流れを見るには フローティングミノーを投げてほっとけば流れが見えます。 ゴロタやサーフのような遠浅の所ではカケアガリに沿って横に投げて 引いて来ると感じが軽い時と重い時があります。 軽い時は流れの上流に投げてる訳で重い時は流れに逆らって逆引きになっている時です。逆引きの方がルアーの動きが良く釣れ易いです。 また、巻いて来てある一定の所だけグンっと重くなるところに行き当たったらそこが離岸流でそこを集中的に沖に向かってスポット的に攻めれば良い結果が出るでしょう。 水面から出ている岩や大石等の障害物より風上 にキャストしてラインスラックを出しすぎると岩の溝やヒザラ貝にラインが食われて(挟まって)しまうので気をつけないとラインに傷がついて切れたり、ルアーをロストしてしまう。 海からの風(山形では西風)が強い時は波が高いのでテトラの内側とかワンドのような凪のエリアを狙います。 それでもこういう時はクロダイを狙っていてもシーバスが来てしまいますがそれはそれで楽しめます。あとヒラメ・アイナメ・イナダも釣れる時があるので結構晩のおかずは確保できます。 根や岩周り、テトラ際などのストラクチャーの有る所で凪の時は外海側、風上側、流れのぶつかる側を中心に広範囲のテリトリーを回遊し、 荒れているときは内海側、風下側、流れの岩裏になる側に定位しています。 「海を川に見立てる独自のポイント分析」 私の全ての釣りの基本は渓流釣りですが全て海で通用します。 渓流で穏やかな渇水の時は堰堤直下の白泡の中の深場や白波がブラインドの役目をする荒瀬や瀬尻を狙います。 海でおだやかな凪ならなるべく波の有る所や外洋に面した風当たりの良い少し水深のある所を狙います。ただし、シーバスではないのでサラシは考えに入れる必要はありません。 渓流が増水なら瀞場や堰堤の上下プールなどのゆったりとした流れの弱い所を狙います。 海が時化て荒れてたら風の当たらないワンドや岬の風裏側、テトラの内側で波の無い所を狙います。 川で荒瀬の大石裏の懐は、波の有る海では大岩裏の波裏です。 どちらも適水勢やストラクチャー、餌の溜まる場所など良く似ています。 偶然やマグレでは無く方程式を解くようにさまざまなファクター、風の向き、表層の流れ、水通し、水深、ストラクチャー等を分析すると、ポイント推測は初めての場所でもそう苦労は有りません。 ベタ凪の時は釣り易いのですが読み辛く、たとえばその海岸線で1番出っ張りになっている所の頂点を境に左右に大物が着いていますが、離岸流になっているようなところがヒット率は高いです。荒れてると釣る所が限られるけど波の影響が受け難いところでありながら餌を狙える水通しの良いところに定位しているのでテリトリーが読みやすいです。餌を取らない魚や食い気の無い魚でも大物にはテリトリーが有り、進入するものを排除しようとする性質があればヒットは容易です!但し、魚が居ればですが、なかなか居ないんですねーキャストしたところに! 時には4枚も→ 「水温」 まだデータ的に不十分なので、これは参考程度ですが、私が釣った限りではショアの表面海水温18℃を下回るとクロダイはトップからシャローのルアーには反応がかなり悪くなり、ボトムへのアプローチが必要になるようです。まだ試行錯誤の段階ですが、ミノーをチェイスしてきてバイトしない個体へワームを投げての一瞬のバイトはありますので、ボトムはこれからの課題です。15℃以下になるとクロダイを狙っていてもシーバスが活発にヒットします。しかし、2003晩秋15℃以下の時に釣友がシーバス狙いで2度タイドミノー138mmの大型プラグで46cmと48?の良型を釣っていますから先入観無く狙って見たいと思います。 「タックル」 ロッドはアクション重視の為9ftのトラウトロッド(ウエダTSS92)をメインで使っていましたが、50cmを超えるとトラウトロッドでは荷が重すぎる為、ライトなシーバスロッド(ウエダSPS962Ti)を更に改良して使っています。リールはステラ4000でシマノの4000番クラスに150mが丁度巻けるラインはテトラや岩などの根ズレにも強い(株)『モーリス』VARIVAS.ソルトウォーターVEPの16ポンドでリーダー無し、クロスロックスナップ#2でルアーに取り付けます。 「ルアー」 基本的には何でも良いと思いますが、私のお気に入りは 私の要望で『ファルコン128SS(スモークブラックラメカラー)』をボーグに作ってもらいました。これでキャスティング飛距離、テリトリー意識を刺激する演出からクラッチフッキングによるランディングまで完璧です。 『木村スペシャルについて』 実物大! ファルコン128LB/Iron SS木村スペシャル ボーグ、ファルコンのオプセル社社長がスモークブラックラメカラーを「木村スペシャルカラー」と命名してくれました。 私は光物からオールブラックまでほとんど全てを試した結果 明るい日中の強い光の中で行う私の黒鯛とシーバスのデイゲームで最もヒット率が高く、特に人が良く入るポイントのスレた魚にも効果的だったので自信のカラーになってます。 簡単に言えば人工的な光物は薄暗いマズメ時や濁り水には効果的でもベタ凪の澄み潮では警戒されるとともにスレるのが早く見切られてしまうようでした。どんなルアー&フライでも明るい時に下から見れば黒い陰となってしまうと言うのが私の持論で強い光の中ではカラーはそれほど意味無いのと意外に目視できるベイト的小魚は黒っぽいのが多いものです、更に駄目押しにラメカラーで襲われた弱いベイトの鱗の剥がれを演出していますので効果抜群です。 ↓木村スペシャルでのヒット! 『レッドベリー有効論』 海の魚(特にヒラメ)にレッドベリーが有効と言う事は確かです。カラーチェンジをして行くと白い腹で通した後でも赤い腹(レッドベリーやオレンジベリー)でトレースするとヒラメが来る時がありました。だからヒラメポイントである砂礫底やサーフの小川の流れ込みなどは必ずチェックです。そんな時のために銀黒レッドベリーをSS(スーパーシャロー)でお願いして作ってもらいました。 ←『ヒラメスペシャル』と言って良いでしょう。ただし、レッドベリーやオレンジベリーは強力なだけにスレるのも早い為に、しつこくテリトリー意識を刺激しなければならない黒鯛用には初めはお願いしませんでしたが、今では勝負が早いので木村スペシャルLBssレッドベリーとして常用しています。 レッドベリーやオレンジベリーは目立って一発勝負できる光の強い銀黒や金黒との組み合わせにも向いていて、キャストした付近にヒラメやシーバス、やる気のある黒鯛が居れば1投目で食ってきますのでブラック系との対比ルアーとして用意していても良いでしょう。 「ロッドアクション」 私のサクラマス釣りの『シェイキング&ジャーク』がたまたまクロダイに合っていたのです。波打ち際 に立ち、沈み根や岩の脇を狙い小刻みなシェイキングをしながらのジャ−ク、リトリーブスピードは普通シーバスを釣っている時より少し早めが良いでしょう。そのためシーバスは追い切れないのかスレでヒットする事があります。クロダイやイナダは余裕 でガッチリ食って来ます。 しかも、活性の高い時はかなり深い所からでも、まるでヤマメやサクラマスのようにバシャッ!と水面までライズしてプラグを一瞬でひったくって行きます。 ルアーが飛び出さず且つ激しいダートを一回のシェイクで1往復させるイメージでやり 動かした分だけのラインスラックを巻き取る時にサスペンドするルアーで食わすと言う事を 基本にシェイキング&ジャークはその時使うルアーと自分なりのペースとスピードでやって良いんです。 最近シェイキング&ジャークで出ない時に多用しているシェイキング&ステディーリトリーブは、これで1発で釣るのではなくて黒鯛やサクラマスのようなテリトリーを持った魚を苛立たせるつもりや、シーバスやヒラメや青物など広範囲に居る大型のフィッシュイーターを集める集魚効果の意味もあるので音が出てマズメ時はキラキラ光る銀色、日中はコントラストが強く残像効果が強くシルエットが目立つ黒色が良いでしょう。 それらシルバーとブラックでまずは食わせる事はあまり考えずに大型魚を何度かの追い切れないほどの激しいシェイキングのみ数回空打ちキャストのつもりでやり、刺激して寄せて(実際追いが見えます)何投目かでやおらブレイクライン近くから棒引きのステディーリトリーブで食わせるものでかなり効果的です。 加えて、永い間私は定位してテリトリー(縄張り)を持ったサクラマスや黒鯛など1匹ずつの個体を狙って来ましたが、その想定したテリトリーに魚が居なかったり釣り上げられたばかりで空き家や留守の時は釣れる訳がありません(笑) だから狭いポイントは上記のような狙い方で良いとして、瀞場や広大なポイント(海も含みます)ではこれまでも早朝やマズメ時は面で捉えて釣ってはいたのですがほとんど核心部分である定位スポットにばかりを重点的に釣る為のキャストばかりしていました。それを逆に定位スポットをワザとはずして魚の活性を上げる捨てキャストを数回する事により、じらされた魚はより確実なバイトをしてくる事に辿り着き、何度も実験した結果、確信を得ました。もちろんやる気を上げる「捨てキャスト」は小物が食いついたりするスピードでやったり根掛かりしたりするようなミスキャストはターゲットである本命が警戒するので絶対やってはいけません。 あくまでテンカラ釣りでやるスレ山女魚を苛立たせる空打ち込みと同じで食い付けない速さで数回キャスト&ピックアップするのです。これはシーバスやヒラメにも予想通り効果ありでした。 「ランディング」 ヒット後に底へ底へとグイグイ引くようなら黒鯛か真鯛なのでロッドを立ててドラグを滑らせながらでもポンピングして下さい。45cmのクロ ダイで70cmクラスのシーバスに負けないほど引きます。50cmオーバーの黒鯛や真鯛や鰤だともう止めてくれーと言うぐらい引きます、非力な人だとポンピングし きれない為、底に持っていかれてバラしてしまいます。 これが一番多いバラシで、ルアーロッドの短さゆえにキャスト距離が長いところでヒットすればするほどラインが長く出ている為、大物が手前に走って根に入るのが容易になってしまう。だからスキを与えないようにキチンと2kgぐらいにドラグ設定して置き、ドラグを滑らせながらでも強引に急いでポンピングして早く水面に浮かせなければ捕れないのです。私の妻や息子たちも大型の黒鯛や真鯛を何度か掛けてはいるのですが、皆、根に突っ込まれてバラシているし、私も大型に何度か根に入られてバラシていますのでご注意あれ!高速ポンピングあるのみです(^_-)-☆ 黒鯛は砂浜では白っぽく、茶色の岩場では茶色に、黒い岩場では真っ黒に瞬時で体色を変えます、ですからルアーをチェイスして来ているのに気が付かない人が多いです、注意してみると結構追ってきてます!そこでUターンするようならロッドアクションが足りないのです。 私のオリジナル『シェイキング&ジャーク』はサクラマスのみならずブラックバスやスズキや黒鯛・真鯛・ブリまで幅広く効果があることが実釣で証明されています。 その後、休日しか釣りに行く事が出来ない私は悪天候の日ばかり休日に重なる年の時もあり、やむを得ずシーバス狙いに切り替えるとシーバスは追い切れずにスレヒットが多く、段々シーバス向けにリトリーブスピードを落としてシーバスが良くバイトできるようにしていたら黒鯛がチェイスしてもUターンして釣れなくなりまして(笑) 潮通しの良いカレントがあってハエ根があって深場に繋がるポイントに当たると、たまに大型の真鯛や大型の鰤やアイナメも来ます(^_-) 数年試行錯誤しましたが黒鯛やサワラやブリのような青物を狙って釣るには更にリトリーブが早くても良い事が分かって、現在は↑の動画のように更に強い連続シェイクで誘ってからステディーリトリーブで食わせるようにする時もあります。 オプセル社から発売されている『黒鯛ルアーフィッシング』と言う私のDVDを見れば映像で理解して頂けると思います。 『シェイキング&ジャークの秘密』・・・裏もあり ★『海の釣行記』★ 『黒鯛・真鯛のヒットデータ』 [ホームへ] [最上川の大鮎友釣りへ] [黒鯛真鯛のルアーフィッシングへ] |